経営者の思い

「酪農なんて絶対継がん。」
私はこの家業が嫌で嫌で仕方がありませんでした。

​​​​​​​私の幼い頃から両親は寝る間を惜しんで仕事をしていました。その為周りから休みの日は家族とどこどこに遊びに行った、泊まりがけで旅行に行った等の話を聞くと劣等感を感じていました。家業の事でからかわれると言うこともしょっちゅうありました。

3k,5kと言われ、やりたくない理由なんて星の数ほどあり、当時の私は「酪農はカッコワルイ」と思っていました。

反発からか、最初は好きを仕事にと自動車関係に就きましたが、自分の目指す将来設計を描けなかったため転職、その後何度か職を転々としある建築機械メーカーに就職します。ここが転機となりました。

仕事は厳しかったですが人にも恵まれ、かなりの裁量を持たせてもらい仕事が出来た事により様々な会社とお付き合いさせていただきました。忙しくも充実した時間でした。その後プライベートでも家庭を持ち、ふと子供の将来の事を考えた時、自分は両親や周りの方々にとても支えられて生きてきたんだなと実感しました。

しかし同時に一つ疑問が湧きました。
「はたして今のままでは自分がしてもらった事やそれ以上の事を自分の子供に出来るだろうか?」

そう考えた時、ずっと心に引っかかっていた家業がちらつきました。

酪農家になれば、やりようによってはまだまだ可能性がある。家業を継がないことによる後悔等、
これらが一気に解決できる上、思い描く豊かな人生が送れるかもしれないと思いました。
こんなチャンスをみすみす手放すと言う選択肢は当時の私は考えられませんでした。

価値観が根底からひっくり返った瞬間でした。

もちろんこの世界に飛び込むにあたり非常に葛藤もしましたが、妻の協力すると言う言葉が非常に大きな後押しにもなり、その時就農を決心しました。

やるとなれば保守的な酪農はしません。冒頭に書いた私が感じた「劣等感」を払拭し、次代の人間に誇れる、憧れられる様な業種へと昇華させるのです。

その為には既存の方法だけでは不十分、まだまだカッコをつける所はあります。

発展途上ではありますが、「他の方が諦めたり出来なかった事」を実践するカッコイイ酪農家を目指して日々の業務に取り組んでいます。